システム開発プロジェクトの成功って何?

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システム開発プロジェクトの成功率が低いって最近良く言われますよね。
日経コンピュータの2003年11月17日号にも、

050p) 2003年情報化実態調査 プロジェクトの成功率は 26.7%

と、低いことがアンケート結果から示されています。

このアンケート。プロジェクトの成功の定義は、

”システム開発で守るべき3条件「QCD(品質・コスト・納期)」をクリアできなかったプロジェクト”

と定義をしています。

本当にそんな定義でよいのでしょうか?
システム開発プロジェクトって、そもそもなぜ生まれるのか、という原点に返って考えてれば、QCDを達成すればプロジェクトが成功だ!などと言えないことにすぐに気づけるとおもいます。

ちょっと脱線しますが、そもそも”システム”って何でしょうか。
”システム”(ここでは社内の業務システムに限ります。最近は、システムで儲けるビジネス用のものも多いですからね)は、人間の労働を楽にしてくれるツール以外の何物でもないはずです。
最近、”戦略的情報システム!!”等、システムを活用し企業活動・経営活動に生かせば、経営が変わる!というような記事・広告から勘違いしている人も多いかもしれませんが、これだって人間が欲しい!と考えた数値を、コンピュータが”人より早く”計算してアウトプットしているだけですよね?。つまり、人間が”計算”するのを、コンピュータが代わって”計算”しているだけでしかないのです。

この原則に則って考えれば、システム開発プロジェクト(繰り返しますが社内業務用ですよ)が生まれる理由は、

「人間の活動を楽にする」

ということに集約されているはずなのです。

これが目的なのであれば、プロジェクトの成功条件とは、

「如何に人の仕事を楽にできたのか」

ということのはずではないでしょうか。
今まで、管理業務をするために、丸三日掛かっていたものが数分でできるようになる、とか分析をするのに、多方面からデータを集めるのに一週間掛かっていたのが、発生源入力でデータベース化でき即時分析ができるようになった、とかが具体的な”効果”であるはずです。

つまり、この”効果”の積み重ねが、システム開発プロジェクトの総投資額を超えない限りは、企業活動にとっての利益(お金)を生まないわけで、いくらQCDを守れても、「人間の活動」が楽にならなければ意味が無いのです。

ということは、

プロジェクトの成功=(発生利益(Σ(楽になった))>プロジェクト総投資額)
ということではないでしょうか。

日経コンピュータの記事では、QCDの着眼点で書いているようですが、上記の定義に基づけば、プロジェクトの成功確率は実際のところどうなんでしょうか。

たとえQCDが大きく変動があったとしても、そもそものプロジェクトの目的は、”効果が投資額を上回る”のはずですから、一概に、期間が延びたとか、投資額が増えた、という理由だけで、”失敗”と位置づけるというのはどうなんでしょうか。

上記定義に基づいてプロジェクトが成功!したとすれば、システム作りという単純な世界の成功・失敗という話ではなく、”経営に寄与できたかできなかったのか”という、真のITの利用目的の姿で、プロジェクトの成功・失敗を判断できるのではないでしょうか。

システムを作る人も、”使われないシステム”なんて作りたくないですよね。
せっかく作ったシステム。利用する人・投資の意思決定をしてくれた人から、”ありがとう!”と言われるシステムを作りたいはずです。

”ありがとう”といわれるようにするためにも、上記のプロジェクトの成功の考えを持ってシステム開発をすれば、たとえ、QCDが守れなかったとしても、顧客から喜んでもらえ、自分も達成感のある仕事ができることでしょう。

近視眼的な発想においては、システム開発プロジェクトの成功は、QCDを守ってシステムが動いたとき、だとはおもいます。
しかし、近視眼的にならずに、真のIT投資・利用の目的に立ち返り、

プロジェクトの成功=(発生利益>プロジェクト総投資額)

ということだ、ということに気づいてシステム投資・システム開発を進めることが今のIT業界全体に求められている基本的な考え方ではないか、と日々考えています。

QCDがシステム開発プロジェクトの成功要件だ!!、などと考えているから、QCDは達成したものの”ユーザーに使われない=効果の無い”というようなわけのわからないシステムがたくさん出来上がっているのではないでしょうか・・・・。

意識を持っていなかった方。これを機に、考え方を切り替えてみませんか?。概念は理解できても、実際に行動に移すことは難しいものです。でも、まずは考えて初めてみることが大事です。考えなければ何も始まりません。

P.S.
システム開発プロジェクトと一括りにしてますが、実際は、

・既存システムが古くなってしまったために、システム側の理由(保守切れ)などで変更するプロジェクト
・システム費用そのものを下げる、というようなプロジェクト
・システムを用いて利益を上げるためのシステム開発プロジェクト
などもあると思うので、あくまでもこのコラムでは、”新しく社内用の業務システムを作る”という視点でのみ書いています。
とは言っても、投資額を上回る利益が出ないシステムは、意味が無いですよね。

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このページは、ごめごめが2006年6月28日 23:05に書いたブログ記事です。

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